頭脳勝負ー将棋の世界

2013年12月16日

渡辺二冠の本を、また読んでみました。

渡辺二冠の奨励会から現在に至るまでのこと、家族のこと、対局中に集中力をどのように配分しているか、プロ棋士の給与、奨励会の仕組み、自戦記の解説など、将棋に関わる幅広い内容です。ひとつひとつの話は短いですが、その中に自分の考えがはっきりと書かれています。渡辺二冠の本を読むのは2冊目ですが、だんだん渡辺節にも馴染んできました。

この本を読んで直接的に将棋が強くなることはないかもしれませんが、私はこの手の本を読むのが結構好きです。
プロ野球観戦を趣味とする人の中には選手や記録に詳しい人が多いですが、やはりその世界についての知識を仕入れると観戦の楽しさが増すのだろうと思います。

小林健二の軽快詰将棋

2013年12月8日

実戦が不足していますが、本は通勤電車の中とか寝る前の少しの時間でも読めるので、少しずつ進めています。

近所の図書館で借りました。
終盤の勉強では寄せの手筋200に再挑戦しようと思っていたのですが、早くも寄り道。図書館に行くとついつい将棋の本を借りてしまいますが、貸出期間は2週間なので家にある本よりも優先して読んで、返すときにまた図書館に行くので本を借りて…

ほとんどが5手詰と7手詰で、タイトルの通り軽快に進められる問題が続きます。
中原囲いの片側が破られた形だったり、矢倉が上から崩されて玉が4筋くらいまで逃げた形だったり、リアルな形が多くて実戦に役立ちそうです。似た系統の問題が10題くらいずつまとまって出題されるため、さくさく進めながらも『このパターンわかってきたぞ』という達成感もありました。

詰将棋では高橋道雄さんの本もとても気になっているのですが、寄せの手筋が終わるまでは我慢しようと思います。

勝負心

2013年12月4日

渡辺二冠の本を読みました。

と、書いてみてやはり違和感があります。渡辺といえば竜王。竜王といえば渡辺。その呼び名には親しみがあります。『渡辺竜王』から竜王を取ってしまうと、何か足りない感じがします。
本は今季の竜王戦の前に書かれているので、結果を知ってから読むと切なくなるような箇所もありました。
とはいえ二冠でも達成できるのは棋士の中でもごく一部の人たちだけ。偉大な棋士であることには間違いありません。

本は、半分くらいは羽生さんのことについて書かれていたと思います。

と、書いてみて気づいたのですが、羽生さんは今三冠ですが『羽生さん』と書いても違和感がありません。将棋の世界では『羽生さん』という呼び名だけで、名人とか竜王とかつけなくても別格な存在であることは誰にでも分かります。すごいブランドですね。

本の初めから、竜王戦や王座戦やNHK杯で羽生さんと戦ったときのこと、初めて羽生さんと対局したときのこと、羽生さんがどれだけ桁外れな棋士であるか、羽生さんからいかに多くのことを学ぶことができたか、といったことが書かれています。
渡辺二冠らしい率直な書き方で、たまに『今は俺のほうが強いけど』的なニュアンスも感じるところはあるのですが、『羽生さんがいてよかった。おかげで強くなれた』という素直な感謝や尊敬の気持ちも感じました。

勝負心というタイトルですが勝負の心得は派手なものではなく、『しっかり予習して本番は平常心。健康には気をつける』みたいな地に足のついた、勝負に勝つために現実的にやるべきことといった感じで、渡辺二冠っぽい合理的な内容が多かったです。

羽生さんは一般書も多く出しているので結構読んでいますが、渡辺二冠の本を読んだのは初めてかもしれません。

寄せの手筋200

2013年11月15日

8月くらいに将棋の勉強を始めようと思ったときに買った本です。
基本問題はなんとかわかりますが、応用問題は今の私にはかなり難しいです。難しくて早々にサボっていたのですが、前回の対局で必至をかけることができたのに気を良くして、再び最初のページから読み始めました。まだ20問目くらいまでしかきていませんが、新しい感覚が身についているような気がして、なんだか良い気持ちです。

詰将棋と必至問題は似ているけど少し違っていて、詰めろをかける感覚というのは詰将棋ではあまり鍛えられないのではないかと思います。詰将棋は難しい問題でも詰むということが分かっていてやっているので、王手がかかる手を深く読んでいけば、いつかは正解にたどり着けます。詰将棋では王手をかけることしかできず、相手は王手を解除する手しか選択肢がありません。選択肢が少ないことにより先の手数まで読むことが可能になっている面もあると思います。逆に詰めろをかけるときには王手ではないので、自分の指し手も相手の応手も詰将棋のときよりかなり多くなり、広く読むことが要求されます。

これまで終盤を詰将棋で勉強してきたのですが、実戦で華麗に詰みを決めたことは少ないです。それは読みの広さが足りなかったのではないかと、必至問題をやっていたら気づき始めました。『寄せ』という言葉があるのにそれが何かが分かっておらず、『寄せ』を経由せずに、いきなり詰めようとして空振りしていたのだと思います。

『なんとなく攻めて、詰みがあるか読んでみる』を繰り返して終盤を進めていた私にとっては、とてもためになる本です。
何度も読んで、寄せの感覚を身につけていきたいと思います。