Macでwineを使って激指を動かす方法
wineについて
自宅ではMacを使っていますが、激指や東大将棋やAI将棋などの有名なソフトにはWindows版しかありません。BootCampや仮想マシンを使ってWindowsを起動させる方法もありますが、他のことは全部Macでやっているので再起動みたいな大掛かりなことをせずに使えるようにしたいところです。
wineは、MacOS上でソフトを動かせるので他のMacのソフトと近い感覚で使うことができます。将棋ではアクションゲームや3DゲームみたいにUIやグラフィック描画の互換性とかそれほど重視しなくてもよいので、wineを使って激指を動かしてみることにしました。
wine関係のものをインストールする
以下のものをインストールしていく必要があります。少し時間がかかります。コマンドラインツールが無いとMacPortsをインストールできなかったりするので、この順番にインストールするのが無難です。
Xcodeをインストール
AppStoreからXcodeを探してインストールします。
Xcodeのコマンドラインツール
Xcodeをインストールしたら以下の場所にある、『More Developer Tools』というところからコマンドラインツールを取得します。
AppleIDでログインしたあと、『Command Line Tools(自分のMacOSのもの)』をダウンロードしてインストールします。
MacPortsをインストール
パッケージ管理のためのソフトだそうで、wine以外にもいろんなものをインストールできます。
MacPortsのページ
から自分のMacOSのものをダウンロードしてインストールします。
XQuartsをインストール
wikipediaに書いてある内容はおぼろげにしか分かりませんでしたが、windowを使ったGUIを動かすためのものらしいです。
※ winetricksの設定画面を見ていたら、macに初めから入っているドライバを使うか、X11(XQuarts)の方を使うかという設定があり、初期値はmacの方でした。wineの1.6からこうなっているようで、それ以降のバージョンではXQuartsをインストールしなくても動くようです。
wineをインストール
ここからはターミナルを使って作業していく必要があります。その際にroot権限が必要になりますが、MaxOSXではデフォルトではrootユーザーが無効になっているようです(sudoができなかったりします)。Appleのサポートページにある方法で、rootユーザーを有効にしておく必要があります。
以下のコマンドで、MacPortsの情報(どのパッケージがインストールできるかとか、どのパッケージに最新バージョンが出ているかとか?)を最新にします。
> sudo port selfupdate
続いて、以下のコマンドでwineを検索します。現時点でwineのバージョンが何なのかとかが確認できます。
> port search wine
wine(安定版)と、wine-devel(開発版)というのが出てきて、どちらでも同じようにインストールできます。私はここの段階に至るまでにすでに結構苦労していたので、安定を求めてwineの方を選びました。
> sudo port install wine
このコマンドを打つと、wineを入れるために必要なパッケージやら何やらをいろいろダウンロードしたり展開したりビルドしたり、、みたいなログが画面に出てきます。がんばってるなぁ、と思って見ていました。これには結構時間がかかり、小一時間くらい待ったかもしれません。
winetricksをインストール
同じように、
> sudo port install winetricks
のコマンドで、winetricksをインストールします。winetricksはwineのフォントや描画などの設定を管理できるものらしいですが、今のところ使い方があまりわかっていません。wineの最初の状態での描画やフォントで良ければ、インストールする必要は無いようです。こちらのインストールはすぐに終わります。
激指をインストールする
wineのインストールが終わったら、そこにwindowsのソフトをインストールしていきます。
wineのよく使うコマンド
設定画面
> wine cfg
こんな画面が出てきます。設定はあまり変えていませんが、入れたディスクが認識されないときに『ドライブ』というところにある『自動検出』をやってみています。
コマンドを打ったときに、
wine: cannot find L"C:\\windows\\system32\\cfg.exe"
というエラーが出て起動できないときがありますが、再度試すと起動できたりします。また、
Dynamic session lookup supported but failed: launchd did not provide a socket path, verify that org.freedesktop.dbus-session.plist is loaded!
というのがいつも出ていますが起動はできています。それ以外にもターミナルにはいろいろエラーや警告が出ていますが、使えているのでとりあえずそのままにしています。
エクスプローラ
> wine explorer
エクスプローラみたいな画面が出てきます。windowsを再現するためなのか、c:¥とかProgram Filesとかwindowsでは馴染みのある構造です。そのデータが実際にはどこにあるのかは、まだ見ていません。
激指のインストール
ようやくここまできました。激指のインストールディスクを入れて認識されてからexplorerを起動すると、Cドライブ以外の何かのドライブにディスクが割り当てられているはずです。
開いてみるとインストールディスクの中身が表示されていて、その中に setup.exe があります。
それをダブルクリックすると、
windowsのときと同じインストール画面が起動しました。
このまま画面にしたがって進めていけば、インストールは完了です。インストールが完了すると、
Program Filesの中に激指がインストールされているのが確認できます。この中のgekisashi.exeを起動すると、
激指が起動しました!
起動してからの使い方はwindowsのときと、ほぼ同じです。たまに文字化けする箇所がありますが、今のところ困ることはありません。
激指の起動を簡単にする
毎回、ターミナル→explorerから起動するとめんどくさいので、macのオートメーターを使ってみました。
アプリケーションの『その他』とかの中にあります。以下のように記述したものをデスクトップに保存したりDockに入れておけば、そこからすぐに起動できるようになります。
ターミナルからだと、
> wine start "起動するプログラム"
というコマンドで起動できたのですが、オートメーターからだとうまくいかず、
/opt/local/bin/wine start "起動するプログラム"
にしたら起動できました。
保存するとアイコンはオートメーター君になりますが、オートメーター君が複数人になるとわかりにくくなるのでアイコンを変えます。
何か適当なアイコンをWEBから探すなり自分で作るなりして、Macのプレビューで選択してコピーします。
作成したオートメーターのファイルで『情報を見る』で出てくる画面で、アイコンの部分を選択した状態にして、
そこで貼り付けすると、アイコンを変えることができます。これで、Dockに入れておいても分かりやすいです。
MacOSをバージョンアップしたとき
MacOSをMountainLionからMaveriksにバージョンアップしたらwineが動かなくなりました。試行錯誤した結果、いろいろ壊したりやり直したりしたのですが、最終的には、ここに書いてあることをやればよかったようです。
ということのようです。
> sudo port -f uninstall installed
> sudo port clean all
のところで何もかもが消えてしまいそうですが、その後またwineをインストールして動かしてみたら、インストールしたソフトやファイルは残っており、無事復旧しました。
新しいOSが出てからそれ用のMacPortsのインストーラーが出るまでに今回は少し時間がかかっていたようで、インストーラーが出る前にがんばったため回り道をしてしまいました。このあたりの仕組みが少しずつわかってきたので、次のバージョンアップではうまくやりたいと思います。